QRコードをよく見ると、白黒のモザイクだけでなく、一定の規則性を持った線が縦と横に通っていることに気づくかもしれません。これが「タイミングパターン」です。
タイミングパターンは、QRコードの中で非常に重要な役割を果たしています。この記事では、その仕組みや役割をわかりやすく解説します。
タイミングパターンとは?
QRコードの中央部を横と縦に貫く1本ずつの線のことをタイミングパターンと呼びます。
これらの線は、白と黒が交互に配置されたパターンになっており、読み取り機がコード内のマス(セル)の位置を正確に認識するためのガイドとなっています。
なぜタイミングパターンが必要なのか?
QRコードは、一定の規則に従ってマス目に情報を埋め込んでいます。しかし、カメラの角度や画像の歪みによって、マス目の位置がずれる可能性があります。
その際、タイミングパターンが**「マス目のスケール(間隔)」**を基準として提供することで、どこにデータが格納されているのかを正確に認識できるのです。
特にQRコードのサイズが大きくなるほど、タイミングパターンの役割は重要になります。
タイミングパターンの配置位置
タイミングパターンは、次のような位置に配置されています。
- 左上の位置検出パターンと右上の位置検出パターンをつなぐ横線
- 左上の位置検出パターンと左下の位置検出パターンをつなぐ縦線
この2本のラインが交差することで、QRコード内のマス目の配置を測定しやすくなります。
タイミングパターンの仕組み
タイミングパターンは、以下のような特徴を持ちます。
- 白と黒が交互に並ぶ
- 決まった間隔で正確に配置される
- 歪み補正の基準としても利用される
このおかげで、スマホのカメラや専用スキャナが高速かつ高精度にQRコードを読み取ることができます。
タイミングパターンのイラスト
以下の図をご覧ください。QRコードの中で、縦横に通る線がタイミングパターンです。

(※線部分がタイミングパターン)
まとめ
QRコードのタイミングパターンは、見た目こそシンプルですが、読み取り精度を支える重要な構成要素です。
- マスの配置を正確に把握するためのガイド
- 読み取り速度と精度の向上に貢献
- QRコードの拡大にも対応できる柔軟性
こうした特徴があるからこそ、QRコードは高速かつ正確に読み取られるのです。